The Seven Daughters of Eve
The Seven Daughters of Eve
The Seven Daughters of Eve の商品レビュー(Amazon.co.jp)
我々はどこから来たのか? そんなことをふと思い浮かべたことはないだろうか。この答えの鍵を握るのが、DNAである。DNAはどんなに長い年月を経ても、消えることもなければさびつくこともなく、朽ちることもない。我々の中で息づく、古代世界からの旅人なのだ。
人類は皆、20万年前のアフリカ女性「イヴ」の子孫であるといわれている。オックスフォード大学で遺伝学の教授を務める著者はさらに、6億5000万人にのぼる現代ヨーロッパ人の母系祖先は7人の女性に分類できるとしている。この女性たちに名前をつけると、アースラ、ジニア、ヘレナ、ヴェルダ、タラ、カトリン、ジャスミン。それぞれ、別の時代に別の場所で生活を送っていた女性たちである。
ミトコンドリアDNAには、母親からしか受け継がない、遺伝子の組み換えが起こらないという2大特徴がある。このミトコンドリアDNAをたどっていけば、ヨーロッパ人の誰もが、自分の祖先を知ることができるのである。そして、人類の歴史―― 我々はネアンデルタール人の末裔なのか、はたまたクロマニョン人の末裔なのか―― を知ることができるのだ。
本書は、こうした研究、発見にまつわる裏話と、それがヨーロッパにかぎらず世界中の人々にとって意味するものを明らかにしている。そして、ホモ・サピエンスの歴史が遺伝子に記録されていった道筋について語っている。
誰もが人類の歴史を遺伝子の中に秘めている。その歴史は、はるか昔の祖先から、実質的になんら変わることなく受け継がれてきたDNAパターンの中に含まれているのだ。人間の細胞はすべて、そうした驚異的な旅を乗り越えてきたもの、つまり遺伝子を運んでいるのである。これは大いに誇りに思うべきことだと著者は言い切っている。そして、本書はユーモアをもって現代ヨーロッパに潜伏する人種差別主義を批判しているのである。我々は、母をたどっていけば誰もがつながっているのだから、と。(冴木なお)
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The Seven Daughters of Eve のカスタマーレビュー 
イブ仮説を科学的に解説した良書
(2010-04-10)
現在の人類は20万年前以降にアフリカに存在した1人の女性を起源としているという「イブ仮説」は1987年発表され、翌年のニューズウィークの特集記事で広く知られるようになった。この説は曲折を経て基本的に正しいことが現在では立証されている。本書は、同じくミトコンドリアDNAの突然変異を通じて、主にヨーロッパの人たちの起源を探るものだが、5千年前や1万2千年前の骨や歯からDNAを抽出するなど分子遺伝学研究の第一人者の立場から実際の研究成果が実証的に解説されている。また、ポリネシアの人たちはアメリカから渡ってきたとする「コンチキ号」で有名な説を明確に否定する研究も解説されている。
表題の「7人の娘たち」というのはヨーロッパの人たちの95%は7つの母系グループに属するという研究成果を表わすもので、著者は、更に想像をめぐらせて、7人の母親に名前をつけて、それぞれの生活環境や暮らしについて語っている。このような物語化には抵抗を感じる読者もあると思われるが、「人類」や「人種」といった見方で人を分類するのではなく、各個人の遺伝子には、何千世代に及ぶ何百万の生命によって届けられたメッセージが込められているという著者の心情を示すものである。
ミトコンドリアDNAについての理解が得られる秀作
(2008-09-29)
ずいぶん前に話題になった本だった。この本以降にミトコンドリアに関する本が急に増えたのを覚えている。文庫本を見かけたので手に取った次第。
アカデミックな部分と考古学的考察、そしてフィクションがうまく配合された読み物というのが読後感。若干古くなった部分もあるが、十分にミトコンドリアDNAについての理解が得られる秀作です。
ミトコンドリアから読み解く人類の歴史に驚く
(2008-04-08)
法律関係なので、ミトコンドリアDNA鑑定を理解するために読みました。しかしミトコンドリアDNAから読み解けるのは、「個人識別」どころでなく、壮大な人類の歴史であり、これは本当に驚きでした。終章は「七人の娘」の姿を想像で描きます。余り科学者らしくないと思いつつも、彼女らの短く苦難に満ちた人生に思わず笑いと共感を覚えます。突然変異型から先祖を探り出す推論過程は、十分に蓋然性が高いと思いました。とりわけ、ポリネシア人の物語が面白く感じられました。
通りすがりのバイオ研究者
(2008-04-07)
比較的専門的な内容にも関わらず、分子生物学・進化学的な事項をわかり易く記述していると思う。7人のイヴが発見されるプロセスが詳細に記述されているし、研究の日常的場面の臨場感が活き活きと描かれている印象をうける。この本を読むと、人種という区別は如何に意味がないものであるかを改めて考えさせられる。
どんどん面白くなる
(2007-08-21)
遺伝子の話なので理解するのに難しい個所もあるが、第10章あたりから俄然面白くなってくる。現代欧米人の先祖は採集狩猟民の末裔なのか、それとも近東からの農民なのか・・・。
このような具体的なテーマを解明していくための過程がつづられていく。
過去の事は現代からの目で見てこれがその時代の姿である、と言い切れない。そこに実際いたわけでなないので、残されている物からの推測でしかないのだけれど、新しい発見や技術の進歩でいままで言われていたこととは、別の世界が開けることもある。
DNAやミトコンドリアDNAなどもそこに貢献している。今回の7人の母にたどり着くことができたのもDNA採取ができるようになったおかげだし、1万年も前の人の歯の化石からDNAが取れた、と言うのは確かにそこで私たちと同じ人が生きていたと言うこと。一気に時間が縮まる思いだ。
昔3大文明についての話を授業で聞いたけれどあまりピンと来るものがなかった。ところが自分の持っているDNAをだどって行く方法で過去にさかのぼると、そこにも私と変わらない毎日の生活があり、文明にしても急に起こったのではなく、自然の流れの中での選択の結果であったという当たり前の事がすんなり入ってくるし、頭に残る。歴史の勉強もこういうアプローチの仕方があるんだなと思う。
母系名をミドルネームに持つ、と言うアイディアは面白い。全く見ず知らずの人が実は遠い親戚だとわかると親近感を覚えるだろうな。現実にはならないだろうけれど。今住んでいる場所ではない、全く行ったことのない所に自分のスタートがあると考えると楽しい。そんな気分にしてくれる内容だ。
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